頭痛とコリと、ネコの話

夫が頭が痛いと言って寝ている。
私は表向き整体師だから、頭の右側が痛いと言われて、
首の右、頭から首肩にかけての右側を触ってみる。

すぐに固まっている筋肉が見つかる。
まだ「石化」まではしていないから復活は早いだろう。
石化とは専門用語でもなんでもなく私の感覚造語である。
石のように硬いやつ。

夫は休日のたびに、
薪作りや登山道整備や能登のボランティアなどで体をかなり使っている。
筋肉を酷使している。

私の感覚ではこの筋肉の固まりがほどほどに取れない限り、
この頭痛はくすぶり続けるとしか思えない。
痛みだけ治った気がしても、またすぐ再発するかもしれない。

コリって何なのか?と夫が聞く。
私が思うにコリとは緊張が抜けなくなった状態だ。

体はなぜ緊張するのか?
適切に力を入れるため。適切に体を動かすため。
構えるためという時もある。

正常ならば、適切な時に力が入って、
それが終われば力が抜ける。
緊張と弛緩。
緊張すれば、固まり、弛緩すれば緩む。

しかし、緊張が抜けなくなることがある。
長時間力を入れ続けすぎた。
体を使いすぎた。
同じ姿勢で体を固めたまま時間が経ちすぎた。
精神的プレッシャーにさらされすぎて抜けなくなった。などなど。
そのせいで筋肉が固まり続けて、
弛緩できなくなったのが「コリ」ということだ。

厄介なことに、歳をとるほど、
緊張と弛緩のバランスはうまく取りにくくなる。
一気に力が入る能力も、しっかり弛緩する能力も落ちていく気がする。

ずっと空手を続けている人でも、
20代ではスピードがキレキレの動きができるのに、
さすがに60代ではそうはいかない。
(60代には60代の動きや円熟があり、20代の動きの方が必ずしも優れているとは言えないが)

ネコを見る。
うちのネコは1日のうち20時間寝てるんじゃないかと思うくらい寝てる。
うちのネコなど飼いネコで敵がいないということもあり、
ゆるみきった姿で寝ている。

トレーニングなどしていない。
なのにどうだろう、
いざとなれば、人間よりも鮮やかに腹筋運動をして起き上がる。

急に腰が痛くなった、急に膝が痛くなった、と整体に来られる人。
年齢にもよるが、65歳より上になると
「急に」と思ったその時には大抵、腰や膝の筋肉が「石化」している。
中には、腰に金属版が入ってるんじゃないかと思うくらいのこともある。

骨や関節や神経の問題もあるかもしれないが、
整体に来られる人を見ると筋肉が石化していることが多い。

そこまでいくと、筋肉をゆるめるのにも根気がいる。
長年かけて固まったものは、すぐにはゆるまない。

個人的には、
筋肉が少し硬くなったのを「不快」と感知して、
整体でもストレッチでもマッサージでも運動でも、
がんばりすぎの習慣をゆるめてみることでも、
何か対策しようとする人のほうが
健康を保ちやすいんじゃないかと思う(痛み止め以外)。

血流は健康を支える大切な要素の一つ。
健康を保ちたいなら、
筋肉をしなやかに保つことは立派な一つの手段。

筋肉をしなやかに保つことを
もっと重要視していいと思う。

ネコに学ぼう。
うちのネコがスヤスヤ寝てる姿は、
心身ともにくつろぎつくすことを学ばせてくれる。

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